和食の喜び。味噌よお前を忘れない

ドイツへ舞い戻りそのまま一気に目的地をチェコのプルゼニ( Plzen )という街へ設定し夜通し激走。したらしいのだが後部座席でほぼ全編にわたって寝続けていたため、気がつくともうチェコだった。

そしてノブさんの、丁度一時帰国中のお友達の家へ辿り着き、お邪魔する。早朝五時。あまり治安が良くないそうなので、車の置き場所を慎重に選び、おかしな東洋人がマンションに入っていくところもみられないように用心しつつ、家の中へ。まるで侵入。

ともかく夜通しの運転で疲れきっているので、そのまま泥のように眠る。あ、僕は運転していないがもれなく泥のように。

10時半起床。シャワーを浴び、スーパーに買出しへ行き、ここでも自炊。ノブさんのお友達さんがもうすぐ引っ越すらしく、置いてある日本の食材を使ってもよいということで、たいそう豪華な和の朝食ができあがった。

油揚げの味噌汁とふりかけごはん、それにさんまの味噌煮の缶詰。嗚呼・・・くそうまいやん!ジパングの国に生まれてよかった・・・。

食べながら、「のだめカンタービレヨーロッパスペシャル」を見ながらプラハの街を少し予習した。

世界一美しい街って誰が決めた

昨夜全く運転しなかったので、今日は僕が張り切って運転。一時間で到着したらしいのだが、まだ「世界一美しい街プラハ」の雰囲気は微塵も感じられない。

さらにナビに従って中心部へと走らせる。

わお

確かに美しい。テレビでみたことあるような街並み。が、町中車と電車だらけで運転しにくく、街並みを楽しんでいられない。適当なところで駐車場に停め、プラハを歩く。

プラハ。プラハ。プラハ。Praha

観光客多い・・・。観光があまり好きでない僕にとって観光客の多い土地はあまり居心地の良い場所ではない。自らも観光客のくせに。

街は確かに美しいのだがあまりにもツーリスティックなのが、残念。それほど、観光客でごったがえすほどに美しいということなのだろうか。旧市街をみてまわる。有名なスポット、天文時計、火薬塔、ティーン教会、カレル橋、そしてプラハ城へ。

どういう基準かよく分からないが世界で一番古くて大きな城だそうだ。その中にある聖ヴィート大聖堂へも足を踏み入れる。

ここの内部のステンドグラスが凄まじい。ゴシック建築がどうとかでそういった面でも、というかそういった面で素晴らしい場所なのだそうだが、詳しいことは僕には分からない。詳しいことはウィキペディアに任せよう。基本的に無知でここまでやってきた。だがこのステンドグラスは美しい。と素直にそう思えた。

美しい景色を前にエキサイトしてしまったのか、路上で発情したカップルをちらほらみかけつつも車に戻り、ヴァーツラフ広場、国立博物館、現代建築のダンシングビルなどを見ながら帰る。

さっくりとしたプラハツアーではあったが、こんな短時間じゃ表面の薄い膜の部分しか見えてはいないのだろうが、それでも、僕はプラハに行きました、とは言える。それだけでお腹いっぱいだ。そもそも僕は、どこどこに行きました、と言いたいがために旅をしているようなものなのだ。ここまで観光に興味が沸かない自分を振り返ってみてふとそう思った。

またしても後部座席で寝ていると、気がつけばプルゼニの街へ戻ってきていた。今夜路上に駐車するのはどうも心配だということで、近くのホテルの駐車場を借りてそこに停める。安心安心。

夜はまたしてもご馳走を。油揚げといりこをぶちこんだ味噌汁、豚肉と白菜の炒め、ベーコン目玉焼き、ふりかけごはん。あーもう幸せ超うまいんだから。

早っ

翌朝はなんと目を覚ますと既にマオさんが朝食を用意してくだすっていてまるで旅館状態。ついにきました納豆ごはん。およそ一年ぶりのこのネバネバ、異臭。絶頂です。味噌汁にベーコン、ソーセージにトマトとモッツァレラチーズ。

なんならもうしばらくここで生活していたって・・・

ダメです。まだまだ先は長い。我々は進まなければならないのだ。

片付けや荷造りなどをのんびりと済ませ、14時過ぎ、和食達、ないしプルゼニとお別れする。ありがとう和の品々、そしてありがとうノブさんとノブさんのお友達。

高速を使わず一般道路を走りながら、景色の良い所々で車を停めて撮影。チェコの田舎町の風情のありようったら、ないね。いやあるね。とても可愛らしいのだ家々や、そこに植えられた花々が。

そうこうと走っていると、もうチェコぬけちゃった。

そしてまたしてもドイツへ。ドイツ大好きなんだから。向かうはドイツのその先、オーストリア。

ふいに現れた国境の町パッサウ( Passau )へ立ち寄ってみる。なんとここの聖シュテファン大聖堂には世界最大のパイプオルガンが鎮座しているというのだ。世界一と付くとなぜ人はこんなにも惹かれるのだろう。

ここも観光名所のひとつらしく、そこここに観光客の姿が見受けられる。がプラハほど巨大なわけでもないので、のんびりと歩ける。街並みも小奇麗で素敵だ。

パイプオルガン。丁度音が流れている時間帯で、静寂に包まれた聖堂の中に優しく音色が広がる。キリスト教ではないけれどついアーメンだかジーザスだか拝みたくなる。感動。

な、なんか、ドラクエみたい。出た。何でもかんでもドラクエに例える無知な男。でも本当にこの教会とこのパイプオルガンの響きがドラクエみたいなのだ。冒険の書はどこだ。

ゲームをセーブしないままにパッサウの街を離れ、さらにクーガを走らせる。

と、国境に到着。いい忘れていたが、EUの国々の国境には、各所にイミグレーションの跡が残っており、ほんのちょっとした廃墟みたいで少しうきうきする。

そんなわけで、オーストリアへ突入。


オーストリア日記

チェコ共和国とほんの少しのドイツ(2009年8月4日〜8月5日)