テストテストテスト

北欧。この言葉の響きにそれとなく憧れを抱いていたジャミラ。きっと、かもめ食堂でみたフィンランド・ヘルシンキの空気感や、スウェーデンやアイスランドに好きなアーティストが多いのが原因だろう。

そんな北欧に、「気がつくと」入ってしまっていたから不覚。え!今?もう?デンマーク!?えーーーーうわーーーあふぉーーーーー!!!と一旦その不覚をとった自分にがっかりしつつも途中からそんなことどうでもよくなって楽しくなっていくさまがうかがえる。

もう夜も更けて遅いので、きりの良いところまで走らせて、高速のサービスエリアにて停車。そこのシャワールームを10クローネ(約180円)で借りて、旅の汚れをずっこり落とし、車中にて一泊。運転席、助手席に一人づつ、後部座席をたおして一人、三人きれいにおさまった。寝ている間に襲われないように、割と店に近い明るめのところに車をとめる。念には念を。

レゴにまみれた世界へ誘われる。自分から出向く。


10時にサービスエリアを出発し引き続きビルンの町を目指す。一時間ほどでそれらしき地域にさしかかったのだが、一向に気配がしない。ひたすら田舎町の雰囲気。気配が。

した。

突如現れた!現った!

レゴの人、レゴでできた人が突如道端に現れ一同興奮。ホテルレゴランドというレゴまみれのホテルもあるらしく、入り口付近まで見学にいってみる。レゴ、レゴ、レゴ。

駐車場に車を停めて、いざ入園。ノブさんは然して興味もないそうなので車で待機。かくいう僕も直前まで入るつもりなんてなかったのだけど、この機を逃したら一生来なさそうだったので、意を決し入園。何故意を決さなければならないのか、それは、入園料が

40ユーロ・・・・!!!!

観光嫌いで入場料支払い嫌いのこの僕が40ユーロも払うなんて前代未聞ではなかろうか。インドのタージマハルの750ルピーですら悩んだというのに。

入園するなりもう見渡せばレゴ、レゴ、レゴ。ん?そんなにレゴレゴ言うほど僕はレゴに愛着があっただろうか。思い返してもレゴで育った記憶がない。まあよしとしよう。

歩をすすめると、さまざまな国の名所をレゴで再現した街が現れた。マオさん情報によるとレゴマスターなる人物がこの世には存在するらしく、そういった人達が丹精して作り上げたのだそうだ。このクオリティは素晴らしい。各国の名所を知らないままに見ていても感動的なので、名所をしっかり見てきている人達にはさらに素晴らしく映ったことだろう。

テーマパークといえば絶叫マシーン。レゴの街撮影会は後回しにして限られた時間内にできるだけ多くアトラクションに乗るべく奔走。まずはヴァイキングリバースプラッシュという、川を流れ流れて最終的にザブーンと落ちてゆくやつへ。キッズに紛れ込んだ平均年齢27歳の東洋人男性二名。

ヒュー!

ざびゅーん

キッズレベルなので富士急なみの絶叫を期待してはいけない。だがなかなか腹がすうっとしたではないか。続いてエクストリームレーサーズというジェットコースターへ。

いぇーい

これもなかなかスリリングだった。小学生にはやや恐ろしいくらいの迫力はあった。ふふふ、僕?僕は18で絶叫マシーンに目覚めて以来ありとあらゆる絶叫マシーンを乗りこなしてきた男。この程度、お茶漬け再々だ。もれなく乗車中の自分達をムービーで撮影しておいた。

お次は屋内のアトラクション、パワービルダーへ。マシンで自分達の好きなように乗り物の動きを選択できるらしい。アクロバティックそうなものだけを選択していざ乗り込むと、開始早々逆さ吊りになった。そこからぶいぶいと振り回され、首は痛いわ酔うわでMOI大変でした。心臓の弱い人は乗られないそうです。

気をとりなおして4Dムービー館へ。メガネをかけて着席。テーマパークの定番アトラクション。レゴに関係あるのかやや首をかしげたくなるような映像だったが、まあいいだろう。むやみやたらに水しぶきが飛んできたのもグー。なのか。

今度はアトランティスという、まあ、ちょっとした水族館だ。だがそこはレゴ、魚たちにまみれてレゴでできたダイバーが潜っていたり、随所にレゴをおしてきている。無理やりじゃんとか言わないで。

ひとしきり水族を楽しみ、再びレゴの街撮影へ。なんと日本もあった!大仏様と神社、東京証券とかかれた高層ビル、かに道楽に舞妓さんなどこれもまた素晴らしい出来で。

レゴの形をしたチョコを食べている人を発見したので、土産に買って帰ろうと店に立ち寄るが、ない。というか、いわゆる「レゴランド土産」というものがあまりない。普通にお菓子が売ってあったり、普通にレゴが売ってあったり。目当てのレゴチョコもコーヒーショップでさりげなく売られていただけで、しかも一個8クローネ(約140円!)もするので、あきらめて退散。

約三時間のレゴランドだったが、随分楽しめた。ディズニーランドにはまだまだ及ばないが、デンマークに行ったなら、せっかくだから行っちゃえばいいだろう。せっかくだから。

バラ珍デンマーク編

そして急遽、一気にデンマーク最北端まで行っちゃえばいいじゃない案が浮上し、ナビを設定、向かうことに。

昼飯はスーパーの駐車場にあったケータリングカーのホットドッグ。みるからにインスタントなホットドッグが23クローネ(約400円)もするという・・・。北欧おそろし。

時速120キロで3時間ほど爆走すると、到着。砂丘。デンマークに砂丘があるなどと、誰が想像し得ただろう。日本人のデンマークに対するイメージはせいぜいデニッシュパンだろう。だが、砂丘だってあるんです。

どんよりとした曇り空ではあったが、地元の観光客達がちらほらいたりして、楽しい。裸足で歩くと砂がさらさらと気持ち良い。そこで順番にジャンプ撮り(シャッターを押す瞬間にジャンプしてあたかも空を飛んでいるかのような写真を作りあげ自己満足感を得る行為)を敢行。

しかしこんなバスも電車も通っていない砂丘、年間どれぐらいの東洋人がやってくるのだろうか。もしかしてなかなかレアな体験をしているのではなかろうかと妙にお得感を覚える。

そしてさらにもう少し北上、スケイン( Skagen )という町へ。私は来た。デンマーク最北端へ来た。と言いたいがためにここまでやってきた。車をとめ海岸を歩き波打ち際の一番北まで歩く。ここもちょっとした観光スポットらしく、沢山の人々が同じく波打ち際を目指す。

夏とはいえ雨の降りそうなこの天候、肌寒い。冬になるとどれほど寒いのだろう。考えただけで吐き気がする。

砂に日本語で「一番上」と書いて記念撮影もちゃっかりしっかりして、いよいよ満足したので、スケインの町にさようならを告げ、出発。

目的地はシルケボー( Silkeborg )。デンマークに来た一番の理由がそこにある。その昔、凡そ一年半前にインドで出会ったデンマーク人の別嬪さんマライカとの再会だ。

詳しくは北インド日記のコルカタ近辺を閲覧していただくとして、ともかくほんの二日間ほど一緒に遊んだだけだのに、その後も定期的に連絡をとりあっていたという素敵な国際交流のもと、今回ついにマライカの母国訪問が叶ったわけなのである。

少しでも会って話せれば嬉しい楽しいねと思っていたらなんと、「今シルケボーの実家に帰ってるんだけど、泊まるとこないならウチにいらっさいな。パパも妹も大歓迎してるかんね。」とのメールが。なんていい娘!

それでは遠慮なく男三人で向かいます。

久々の再会にドキをムネムネさせつつ車を走らせること数時間。ついにシルケボー、マライカの実家へ到着。時刻は既に23時半。田舎町なので辺りはもう真っ暗で、明かりのついている家もほとんどない。

教えてもらった住所と思しき家の前で不審に蠢いていると、中から女の子が出てきた。もしや・・・

マライカ?

「ジャミーーーーー!!!!」ひさしぶりやんさー!ビッグハグで再会を喜び、お邪魔します。

「なんか変な声が聞こえるからさ、ちょっと怖かったんだけど、デンマーク語じゃなかったからもしかしたらって思ってでてきたらジャミだった!」

不審者でごめんね。もう夜遅く、パパも妹も寝てしまっていたので、シャワーを借りて僕達も就寝。不思議な気分だ。旅の出会いなんて、もし一つ電車が遅れていたり、もし一日どこかで長居して予定が狂っていたら出会えなかったりするのに、そういうのがうまく噛み合って、出会って、こうして再会を果たせている。

縁だね。

コペンハーゲンは雨でも楽しい


9時過ぎにゆっくりと起床。マライカパパと妹のミレに挨拶。朝食を皆でいただく。聞くとマライカパパも色んな国へ旅をしているそうで、マライカの旅好きは見事に遺伝子によるものらしい。食卓に座った全員が旅好きなので、どこへ行った、あそこはよかったなどという話がしやすい。

パンとチーズ、野菜にハムという欧州的な朝食。をいただいていると「これも試してみんさい」と、レンガ色したペーストを渡された。「デンマークの庶民的な食べ物の一つやけんね」パンに塗って食べると

砂肝です

レオプスタイ(そう聞こえた)というレバーのペーストだそうで。あ、あぅん?あはは、と微妙な、苦笑いに近い笑みを浮かべる。嫌いじゃないが、別にいらない。そんな一品。

食後に今度はコルスクール(こう聞こえた)という、レモンバニラサワー味のミルクをいただく。クッキーを浸しながら食べる。ほほう、これはすっきりさっぱりでうまい。レガツ(デンマーク語でうまい)。

おまけにもう一品。「これもデンマークの庶民的な食べ物よ。」出た!リコリス!オーストラリアで出会って以来ひたすらにひたむきに忌み嫌ってきた黒いゴム・・・!「デンマークのは塩味だから他とは違うのよ。美味しいんだから〜」とマライカ。

塩味をつけた黒いゴムです

やっぱ好かん。一生好きにならない自信がある。「日本を変えてみせます!」と無闇やたらに叫ぶ政治家よりも自信がある。私は、一生リコリスを好きになりません!

そのような愉快な朝食を終え、パパとミレにメンタック(サンキュベリマッチ)とお礼を言い、マライカも乗せて首都コペンハーゲンへと出発。

インドの事や、別れた後のお互いの旅の事などを語りつつ進む。旅のお供にHARIBO。

途中マライカの生まれ故郷の町を通ったり、デンマークの半島と半島を結ぶ二つの橋、リールベルツボーンとストアベルツボーン(直訳すると小橋と大橋。)を渡ったり、急遽見つけた城に立ち寄るも入城料が二千円近くしたので全員一致で外からだけ眺めたり。

していると遂にきたコペンハーゲン。「コペンハーゲン」という言葉の響きにこれまたそこはかとない憧れを抱いていた僕。来ました・・・。僕は今「コペンハーゲン」にいます!

町の中心近くに住むマライカのマンションにお邪魔します。学生寮的なマンションらしく、色んな国の若者が住んでいるらしい。楽しそう。ここでまた図々しくも一泊させてもらうのだ。 「せまいけど、車よりはましだと思うよ。」なんて優しいマライカ。

中庭にパンやらヌテラ(欧米人に絶大な人気を誇るヘーゼルナッツクリーム)、豆のペーストの缶詰などを持ち出してちょっとしたピクニック。

間髪おかず車でコペンハーゲン近辺の散策へ。クロンボー城という、シェイクスピアのハムレットの舞台として有名な(らしい)ところへいってみます。

中心から30分程で到着。わお・・・雰囲気いぐねいぐね?テンションが若干上がってしまったため、城をバックに全員でジャンプ撮り。

通常の欧米人ならこういった日本人ツーリスト的なことは嫌がるのだろうが、マライカは多少他の観光客の視線を気にしつつも共にジャンプしてくれた。つくづくいい子だ。

城の内部へはチケットが必要だが、中庭のようなところまでは無料で入れるので、そこまで入って撮影、撮影、撮影。ああ・・・ハムレット・・・

ハムレットって何

雨が降り出したので退散し、もう一つこの近くにあるという城を目指す。道を間違える。ガソリンがなくなりそうだ。焦る。城発見。工事中。退散。

ややギリギリのところでガソリンスタンドを発見し、クーガちゃんに給油。ご苦労である。

帰りは街の中心の中心にあるメインストリートをちらちらと見やりながらスーパーへ。買出しをしてさあ自炊大会。

出し巻き卵、ジャーマンポテトとご飯、インスタントの味噌汁を僕達東洋人が、豆のスープ・ダルというインド料理をマライカが作り、多国籍料理ができあがった。

皆で食べるのはもう言わずもがな楽しいが、皆で作るのもこれまた楽しいものだ。ヘルシーな食事をぺろりとたいらげ、メッツ(腹いっぱい)。幸福な夜。

その後は部屋でデンマーク語を教えてもらったり、インドで僕とマライカが出会った時の写真を見返して「アンダマンもどりたいねぇぇぇ・・・」と懐かしんだりとくつろぐ。

1時頃就寝、なのだが、マライカときたら自分は床に薄いヨガマットを敷いたところで寝て、僕達にベッドとマットレスを与えやがった。いいから!マライカベッドで寝んさい!と言ってもきかず。

気の利かせ方が日本人みたい。感謝感謝。

ちなみに日本でいうデニッシュパンは、別にデンマークの特別なパンではないそうだ。「あれってウィーンかどっかから来たんだと思うけど」じゃあデニッシュパンのデニッシュって、何なのよ。

再び雨だって楽しいコペンハーゲン、再々会を誓う


翌朝は、昨夜の残り物を朝食にたいらげ、小雨降りしきる中街へ。メインストリートを練り歩く。セブンイレブンに入っては珍しい飲み物を撮影したり、看板をみつけては撮影したり。教会などにも足を運ぶ。

駐車場のチケットが一時間だけだったので急いで戻り、街をぐるぐると走りながら城などをちらりと見て回る。

それから、素敵な外観の巨大な教会に足を運び、見学。キリストのイラストを描く人のエキシビジョンもやっていたので見学。そしてすぐ近くに王室もあったので、見学。ツーリスティック。ツーリストだから。

「警備員の衣装が超ださいから要チェックね」とマライカに言われるままチェックしてみると、写真でよくみたことのある、欧州的な衣装であった。モコモコの長い帽子をかぶったあれだ。格好いいかどうかは別として、僕は好きです、そのモコモコ。

相変わらず雨のそぼ降る中、今度はリトルマーメイドで有名な人魚の像がある場所へ向かう。

聞くと世界三大がっかり名所に入るとか入らないとか・・・と、到着、え?えーと、あれかな?

カハッ!

そこらへんにいくらでもありそうなモニュメントと何ら変わりないのに、そこに群がる観光客の多さときたら尋常でない。傘なしではずっと立っていられないぐらいの雨でもこれだけ人が集まるなんて。そして中でも際立つ中国人の多さよ。

しかしたった今ウィキペディアにて調べた情報によるとこの人魚姫の像、散々皆に「ちっちゃ!」とがっかりされた上に悪質な者どもによって何度も頭部や腕を切り取られたり、ペンキを投げつけられたりしているそうだ・・・。

同情じゃないけれどちょっぴり哀しいリトルマーメイド・・・。いつか巨大マーメイドになって仕返ししてやればいいよ。そして尾ひれで街を蹴散らすのさ。

雨がいよいよ止まないし、一通りツーリスティックな場所は観光し終えたので、マライカの家へ戻る。

またパンと缶詰やペースト等で遅めの昼食をとり、いよいよ出発。デンマーク、マライカとお別れだ。この先まだまだ行くところが沢山ある車の旅。

駐車場で最後のジャンプ撮り大会。三脚も導入して本格的に撮影。四人とタイマーの息が全く合わず何度も何度も撮りなおし。お別れできんやんこれじゃあ!と笑う。

およそ10枚目にしてようやく全員空中の写真が撮れ、今度こそお別れ。「来年またインドでね!再来年は日本で!その次はまたデンマークおいで!」と再びみたび会うことを約束し、バイバイ。

そして今度はロービュ( Rodby )という港町を目指す。コペンハーゲンから二時間弱で到着。そこから車ごと船に突っ込み、出国と相成るわけである。なんとこの船、車のみならず電車まで突っ込むそうだ。ちなみに船の運賃は乗用車と人間込みで61ユーロ。

トイレでウーンコーをしている間に出航していたらしく、デッキへ出ると既にデンマークは離れていた。さようなら・・・免税店で香水をふりまいたりHARIBOを買いだめしようか悩んだりしているとほんの25分程度で船の旅は終了した。

ドイツに舞い戻ってまいりました。

ドイツを経由しつつチェコ日記

デンマーク(2009年7月31日〜8月3日)