タイで生肉と合流

久しぶりのバンコク。巨大なスワンナプーム空港で入国手続きをすませ、いつものごとくカオサンロードへバスで向かう。

間もなく見慣れた風景にさしかかり到着。歩いていつも泊まっている安宿を目指して歩く。バーガーキングの前を過ぎたあたりで、見覚えのある人間が前方に。

つい一週間程前に軽く、来たら?と誘ったら本当に来たユッケという韓国風生肉みたいな旧友。久々の再会を喜び、宿へチェックインして屋台でヌードルスープを食べる。いたるところにうまい屋台が多いのもタイの強みだな。

生肉さんはたった五日間の短期旅行なため、それから数日バンコク界隈をあちこちと観光してまわる。

驚きの手抜きまとめですみません。でもタイはもういいかな、いいですよね。

鉄道の旅は一路マレーシアへ

生肉さんの帰国後、今度はチベットやネパールで一緒だったヤギ子もタイミングよくタイにやってきたので合流し、荷造りをして宿をチェックアウト。

同じく中国、チベット、ネパール、インドで何度も会ったナオトもバンコクにいたので、顔をみにゆき、またどこかであおうな、と別れホアランポーン駅にバスで向かう。

3等席のチケットを259バーツ(約750円)で購入、座席に着く。他の国とは一味違う大都会バンコク、おいしいアイスモカやワッフルなんかが売られていたので調子にのって買い込む。13時出発。

交代々々で窓際の席を譲り合い、ジャミポッドを聴きながら外の景色を眺める。陽の光が温かく、希望に満ちているような気さえしてくる。今後の自分の人生を考えて、うきうきする。

途中フアヒンという駅で小休憩、窓際に現れる弁当売りから弁当を買って二人でドカ食い。ヤギ子の食いっぷりはみていて気持ちがいいほど、いい。さすが好物が肉の女。

さらに電車は走り続け、真っ赤に染まる夕陽空や、それに次いで輝きを放ちはじめる星空をみて、眠る。ほこりや色々を風とともにうけて髪の毛がパッサパサのキッチキチになった。

日付が変わってもなお走り続ける。

翌朝7時前、随分と長いこと電車に揺られていたものだ。ようやく終点ハジャイに到着。さて。駅を出て、バイクタクシーをひろいとりあえずバス停まで向かう。ここからマレーシアの首都クアラルンプール行きのバスがでているらしい。

バス停向かいの旅行会社で安いのか高いのか分からないが500バーツにて購入し、近くのセブンイレブンで朝食を買い、食べているとソンテウとよばれる乗り合いバスのようなものがやってきて、乗せられ別のオフィスへ。

そこで一時間近く待たされ10時頃出発。すぐさま眠る。やけに眠い。が、一時間もするともう国境に着いていた。一度バスをおりて、イミグレーションであっさりと出国手続きをすませ、再びバスに乗り込み入国側へ。こちらもあっさりと済み、マレーシアに入国。あっさりしすぎて国が変わった気がしない。

途中昼食休憩で、ぶっかけ飯を食べる。5.1リンギット。リンギットって何ですか。さらにバスは走る。

途中スコールに見舞われたりしつつ走り、夕方もう一度休憩があり、中華料理屋でトイレを借りると、懐かしい光景が広がっていた。そうそう、中国のトイレって、確かこんなだったなあ・・・感慨深いなあ・・・クソ汚いんだなあ・・・

なんて思い出しつつさらにさらに走り、高層ビルが目立ち始めた頃、ようやく首都クアラルンプールに到着。大・都・会。宿探し。何軒かまわるもなるほど首都はどこも高い。結局一番始めにみたアップルインというところへチェックインし、夕食を探して歩く。

食堂をみつけナシゴレンとアイスコーヒーを注文。5リンギット(約125円)。若干バンコクより高い。うまいのだが、さきほどから足元をどぶねずみさんが忙しなく行きかっているので、そのうまさも半減。

もう遅いので宿に戻り、シャワー。を浴びるも蛇口が壊れていてうまいこと浴びられない。部屋も二人にしては狭いし、中々居心地の悪い夜をむかえそうだクアラルンプール。

首都をさっさと出てマラッカへ。素敵な宿に胸はためかす

蚊にかまれて安眠できないまま、8時に起床、身支度をして外へ。Masjit Jamek駅というところから電車に乗ってみる。朝の通勤ラッシュ時らしく久々にこんな満員の忙しそうな電車を目にした。まるで日本。KLCCというところで降りて外へ出ると、ドカン。ツインタワーがそびえたっている。なっがい。伊勢丹やシャネル、プラダ・・・高級ブランド店やデパートが並ぶ。全く興味をひかれず。

がツインタワーには整理券さえもらえばタダで登れるというので、タダならなんでもやっちゃいます、と列に並び整理券を手に入れる。

それから 両替屋を探して中華街のほうへ歩いてまわり、一番レートのましだったところで替え、宿に戻り荷造りをしてチェックアウト。レセプションにバックパックを預けてツインタワーへ。僕達が登れるのは11時半の分。が今もう既に11時15分なうえに、あろうことか整理券を宿に忘れてきたので「もうええか」とあきらめバックパックをかついでバスターミナルへ。

ヤギ子のリクエストにより急遽マラッカという港町へ足を運んでみる。9.5リンギットでチケットを買い、乗り込む。12時出発。割と発展している国はバスがきれいだったり、スイスイ走ったりしてよいのだが、いかんせんエアコンを過剰にするきらいがある。ご他聞にもれずこのバスも、超寒い。布をかぶって仮眠。

ほんの一、二時間でバスがとまり休憩かな?と思うともうマラッカだった。ローカルバスに乗り換えて、17番でチャイナタウンや安宿のあるほうへ。

なんとなくチャイニーズなにおいのするところで降り、宿探し。二、三軒みたところでKANCILというよさげな宿を見つけたので、とりあえずそこに荷物をおかせてもらい、もう少し探してみようと歩く。すると同じ通りを少し行った右手に、エミリーというゲストハウスを発見。見るからに、イイ。中へ入ってみると、おやまあ素敵だよお・・・オーナー兄弟が全て手作りで仕上げたという内装はセンスがあって落ち着けるような雰囲気だし、小池に金魚や鯉が優雅に泳いでいるし、シャワールームはなんだかジャングルみたいだし、そして極めつけにうさぎが野放しにされているし!キメ。荷物を取りに行き、ここへチェックイン。

オーナー兄弟も人のよさそうな感じだし、憩いの場でバーベキューをしてもいいと言ってくれたので、泊まっていたイタリア人のニコラと、日本人のキムさんと四人で、おしゃれなスーパーマーケット・カルフールへ買出しに。肉に魚に野菜にエビなどを大量に買い込む、が、それでも一人あたり300円程度で済んだ。うふふ。

帰るなり早速下ごしらえ。炭が準備できたところでベベキュースタート。塩や醤油をたれがわりに。ただでさえうまいのに、皆で和気藹々、アキワイワイとしゃべりながらたべるので尚うまい。さらにクアラルンプールの大学に通う日本人の学生さんやフランス人達もやってきて、宴。イタリア人のニコラは色々な国を旅してきた達人のようで、これから訪れるであろう国について教えてもらう。

飲み放題だよ、と置いてくれているミロやコーヒーを飲みながら、バーベキューが終わってもしゃべりつづけ、気がつけば夜中の3時だった。クアラルンプールに反してなんと居心地の良い宿。ひょっとすると今まで泊まってきた中で一番好きかもしれない。それぐらい、どこかどこまでもリラックスできる宿だエミリーさん。

マラッカの街並みもどこかリラックス


のんびりと起床し、タダでいただける朝食のトーストとミロをたいらげ、少しぼけっとして外へ散策。セントポールという教会跡のようなものがある丘の上に登り、マラッカの街を一望。赤い屋根で統一された家並みと古い教会がどこか行ったこともないヨーロッパを思わせ、その向こうには青い海。マラッカ、好っきゃあ。

丘を下りチャイナタウンへ。ベトナムのホイアンに似た風景、まさにチャイナタウン。仏教寺やイスラム教のモスクをみて、マラッカ名物チキンライスボールを食べるべく、さきほどまで行列をなしていたところへ戻ると、「丁度今終わっちまったい」終わっちまったそうだ。

手前のレストランへ行き、チキンは高いのでライスボールだけを五個注文。1リンギット。うまい。チキン風味のご飯を小さく丸くボール型にした、おにぎりのようなものだ。油断すると二十個近く食べてしまいそうなのをこらえて、十個お持ち帰りにして歩く。ヤギ子は黒船みたいなものを見学したいというので別れ、一人海のほうへと歩く。

あら?さっきは青く澄み渡った海にみえたのに、いざ近づいてみてみると、砂浜はないし濁っていて汚い。遠目にみておくのがよかったらしい。

暇なのでカルフールへ。何が好きって私はスーパーが好きなのだ。電化製品コーナーで丁度ビヨンセのライブDVDを流していたので、久しくこういうエンターテイメントを目にしていなかった僕は、釘付け。

気がつけば16時半。どれだけ長いことみていたのだろうか。宿に帰り、友達の結婚祝いの手紙をしたため、今宵も皆とバーベキュー。

再びカルフール。カルフール。カルフール。いい響き。「今日は少なめにしとこうか」なんて言いながら今日もがっつりエビ、イカ、チキン、野菜を買い込み、さあベベキュー。

宿泊客やらなんやら、それにオーナー兄弟も含め総勢11人でヤる。そして皆に結婚祝いの手紙に各国の言葉で書き込んでもらう。多国籍でいい具合。マレー語を教わったりわいのわいのとしゃべり倒し、今度は皆でチャイナタウンへ。

皆で夜の街を歩くあの感じも、どこかうきうきして好きだ。ABCという名前のかき氷がうまいらしく、屋台を探す。ABCは何かの略だったのだが、忘れた。ANAGO BURIBURI・・・・何でもない。

みつけた。食べる。が何故かかき氷なのにコーンが混入している。別段入ってなくてもよかったが、うまい。それから丘に登り夜景を眺め、宿に帰る。

それからまた憩いの場でお紅茶をいただきながらしゃべる。今宵も気がつけば3時。何か、僕を魅了して止まない何かがこの宿にはある。さもなくば3時までなんておきていない。何だそれは。

はい、おしまいマレーシア

マラッカが予想以上に居心地がよく、それから一日延泊、同じようにのんびりと過ごし、今日こそシンガポールに向かわなければ、と後ろ髪ひかれる思いで宿をチェックアウト。オーナーに是非またこさせていただきますと言い、ヤギ子、キムさん、それから学生のタスクという全員日本人編成で向かう。

バスをひろってターミナルまで出て、シンガポール行きのチケットをこうにゅ「売り切れだね今日は。」っと、どうしよう。「大丈夫っぽいですよ。手前のジョホーバルっていう街まで行けばそこからシンガポールまでのバスあるみたいです。」気をとりなおしジョホーバル行きのチケット買い、ターミナル内の土産物屋などを物色して時間をつぶす。

15時半、バスがやってきて乗り込む。出発。しんどいのですぐさま眠る。がリクライニングが倒れないので直角の状態のまま眠る。そしてエアコンやめてよ・・・

二時間ほどであっという間に到着。インドなら八時間の移動なんてざらだったのに、マレーシアだと八時間も走ると国境を越えてしまう。

バス停でシンガポール行きに乗り換え、再び出発するとものの10分程度で国境に。これまた味わい深さのかけらもないほどあっさりと出国。

マレーシア、本来行く予定ではなかったのだが、行ってみると意外に好いた。きっとマラッカのエミリーゲストハウスのおかげでしょう。

特に大したハプニングもなく平々凡々な日記で、さぞつまらなかったことと思われますが、いましばらくお付き合い下さい。ひとまずの旅も佳境にさしかかりました。


少しのタイと、マレーシア(2008年3月12日〜3月16日)

シンガポール日記