やっぱりイラつく相方、素敵なセネガルの風景

西アフリカで唯一ビザが必要ない国セネガル。そもそもビザって何なのさ。あんなスタンプやシールひとつのためにあちこち振り回されて何日も待たされて。誰がこんな不健康なもの発明したんだ。

土色の川を渡って掘っ立て小屋風のイミグレーションであっさりと入国スタンプをもらい、バス停まで歩く。

さっき出くわした日本人が、サンルイという場所はとても落ち着けるからいい、と言っていたのでサンルイに行きたい旨を告げると、苦そうな顔をして、「うーん、オレは行っても構わないけど、もう今日ダカールにいって、色々ビザ関係すませて、ダカールでゆっくりするほうがいいと思うんだけど。」とアゲロス。ああそうですか。ふーん。それってつまり構わなくないってことじゃないか。

そしたらオレはサンルイに一生行かないままになってまうやん。せっかくやからみときたい。と主張すると「よしじゃあ行こう!サンルイ行こう!」

サンルイ行き決定。乗り合いタクシーの方が小さい分待ち時間は少なくてすみそうだが、ミニバスのほうが安かったので「どっちがいい?」とアゲロスにきかれても即座に「安いほうで」と答えた。

同じくサンルイ行きのバスを待っているシエラレオネ人のジャネーという男と話す。シエラレオネは公用語が英語なので、ついにボクも難なく会話ができる。

アゲロスとの旅がめんどくさくなったりしんどくなったりしていたが、ジャネーと話していると、どうでもよくなった。だって今アゲロスいなくても意思の疎通できてるもん。ようは英語が話せればいいのかオレは。フランス語をもっと勉強しろ。

西アフリカで広く話されている民族語のオルフ語やマディンゴ語をほんの少しジャネーに教えてもらい、有名なアーティストの名前もついでに教えてもらい、たかってくる子供達の写真を撮って遊んだり、バスが満員になるのを待つ。

待つ間もこうして話せる相手がいるので、全く苦にならない。ここに来るまではひたすらアゲロスが地元民としゃべり倒しているのを大人しく傍観しているだけだったから、しんどかった。

3時間近く待ってようやく出発。隣に座っていたセネガル三兄弟の末っ子にイヤホンを一つ渡し、ジャミポッドを聞く。やっぱりM.I.A.。

悪路、そして無駄に多いポリスチェックのおかげで随分と遅れたが、今日の移動は朝からだったので、夜着でうろたえることもなく、16時頃サンルイに到着。途中で降りようとしたジャネーに安宿を知らないかきくと、「すぐそこに二、三軒あるよ。もし大丈夫ならここで一緒に降りる?」と言ってくれたので、降りる。「町の中心から1キロぐらいだし、中心より安いと思うよ。」

AUBERGE ESCALE、フランス語で「ホテル階段」という名前の宿を紹介してもらう。二人で10600セファ(約2200円)朝食付き。なるほろ。

一応もう一軒も見に行くが、同じ値段でダブルベッドが一つだったので、ホテル階段にすることに。が、アゲロスは「中心に行けば絶対もっと安いとこあると思うんだけどな。ジャミはここでいいの?」と。そもそも、ジャネーに安宿を聞いたのも、降りる?ってボクに聞いてきたのもアゲロスなのに何を今更、と思いつつ、オレはここでもいいよ。と答える。

料金交渉に応じないスタッフがちょっと嫌だったのか、中心から離れているのが嫌だったのか「ジャミがいいならいいよ。オレは全くもってこの値段とこのホテルには満足してないけど。」なんて言うのでそない嫌なら他探しますか!?と言い返す。「いやいや、疲れてるから今日はもういいよ。」

んあーーーー!!もう。

荷物を置いて、中心まで歩いてみる。海沿いの道を歩く。やはり海のある町はどこか心和む。潮にもまれて育ったからかなあ。

山の麓出身ですわたし。

しっかし汚ねえなあ!海。波打ち際がゴミ捨て場になっており、ありとあらゆる汚物が集結。塀の上を歩いていると、腐臭が!死臭が!

ウゲ!!!

危うく胃液をこぼしそうになったのは腐ってパンパンに膨れあがったヤギの死体が転がって波にゆられていたから。

安らかにお眠り下さい。

結構歩くが、なかなか中心にたどり着かない。「一体何だったんだ?ジャネーという男は。町から1キロって嘘だろ!遠すぎる!」と愚痴をこぼしはじめるアゲロス。親切で教えてくれたに違いないジャネーを悪く言うので腹がたち、インド人とかもそうやけど、アフリカ人とかの距離感覚って適当やん!5キロでも1キロって言うし、知らんくても知っとるって言うやん!と返す。

そんな彼らのさりげない一言一言をいちいち真に受けて腹を立てていたらやってられないだろう。

気を取り直し、ようやくたどりついた古い橋を渡る。さまざまな人が行きかう。アフリカセンス丸出し原色使いでペイントされた市内バスが走り行く。かっくいいぜ。

突然「アリガトー」と地元の女の子に声をかけられ嬉しくなる。客引きにコニチワー、ニーハオ、ジャッキーシェーンなどと言われても全く素通りなのだが、こういう所でさりげなく日本語で話しかけられると嬉しくなっちゃうのだ。

ようやく旧市街に到着。うわお。雰囲気素敵な街並み。外国人観光客もちらほら目立つ。アゲロスがATMを探して道行く人に尋ねる。とその青年が案内してくれるので、英語で話しながら歩いていると、全く別方向に歩いてゆくアゲロス。

どこいっとんねん!と戻って合流すると「オレは別にATMまで案内してもらわなくてもいいんだよ!方向だけ教えてもらえればいいの!あいつらについていくと、あいつらに主導権握られて自分の店とかに連れていかれちゃうんだよ!」ふーん。まあ、確かに。でも今まで散々自分はついていってたくせに、ボクがついていくと行かない。

なんだかボクのやることなすこと全て否定されるみたいでまた黒い感情を覚える。一日に数回は覚える。恒例行事になりつつあります。

しかし疲れた。ジャネーの言う1キロは実際やはり5キロぐらいあった。水を買って帰る。異様に疲れた。暑さのせいだろうか。

宿の近くの路上でおばちゃんがサンドウィッチ屋台をやっていたので、そこでチキンサンドを食べる。アゲロスは先に帰る。

拙いフランス語でおばちゃんや他の客達としゃべり、子供の写真を撮る。サンドウィッチは美味いし、皆優しい人達なのでいささか疲れがとんだ。そしてこっちの人達は「ジャポネ」と言うと「おおジャポネか!ジャポネセボーンよ」と笑みを浮かべてくれることが多い。嬉しい。

部屋に戻ると、アゲロスは一人ビデオカメラ持参でまた町へと繰り出していったので、ボクはシャワーを浴びて、少しおかしい体調を気遣い眠る。

ゴンゴンゴン!

ゴンゴンコン!

誰やノックするのは。ドアを開けるとジャネーだった。「さっきタクシーから見かけて呼んだんだけど二人とも気づかなかったから。」あ、そうやったの。全然気づかんかった。「おージャミ寝てたのか!ゴメンゴメン!そんじゃまた明日会おう!」いやいや、大丈夫よ。わざわざ会いにきてくれてありがとう。また明日ねー。

そしてまた眠る。やっぱりジャネーいい奴じゃないか。

アゲロストラブる

マラケシュを発ってからというもの、ほぼ毎日移動続きで疲れがたまっていたので、ようやくよく寝られた気がする今朝。

コーヒーとパンをいただき、身支度をしていると、「ジャミ、今日水曜だろ?ダカールで色々ビザ申請するなら、今日ダカール行って明日申請するほうがいいと思うんだ。明後日だと金曜で土日休みになっちゃうかもしれないだろ?」ほう、そうか、じゃあ、今日出ますか。

また移動。がんばれ自分。

その前にもう少しサンルイの町を見ようと二人でくりだす。タクシーで中心まで向かい、歩いていると、カンカンをぶら下げた子供達がお金ちょーだい、とやってくる。

なのでボクもちょーだい、と手を差し出すと、子供達は手にもっていた硬貨をのせてくれた。ありがとう、と言って返し、握手。その手をぶんぶんと振りまわししばらく一緒に歩く。

それから写真を撮ってみせると、「メルシー!」と何故かお礼を言われた。これがスレた町で育ったスレた子供達だと、写真代を請求してくるのだが、ここはまだそうではないらしい。

マーケットをぐるりと歩いてまわり、ビーチへ。ビーチというより、浜辺へ。するとドラムビートと陽気な歌声がきこえてきた。

キッズがプラスチックの箱を棒でどんどこ叩きながらセッションしている。やはりアフリカのビートは素敵だ。こちらに気づいたキッズが駆け寄ってきたので、カメラを構えると、嬉しそうに、誇らしげにさらに太鼓をたたき始めた。

そこからはもう、おなじみグラビア撮影会。オレもオレも、オレがオレがとカメラにがぶり寄りしてくるキッズをバッシャバシャと激写する。

アゲロスは別のキッズとセッションしたり、サッカーをしたりしている。

最終的にボクのポケットに入っていたペンをみつけてそれをちょーだいちょーだいとせがまれはしたが、可愛かったのでオッケー。

旧市街を一通り回って、帰る道すがら、新市街のほうのマーケットの人ごみを歩いているとアゲロスが突然、男を捕まえて身体検査を始めた。え?なにどしたん一体何があったん?ときくと

「こいつ今オレのカメラ盗った!」と。ほんとですかい!?

男は「離せ何するんだ」と言いながら手をジャラバというワンピースみたいなイスラム教徒の服の中に突っ込みもぞもぞとし始めた。間違いないと確信したアゲロスがちょっと手え出せ!と叫ぶと、まわりにいる沢山の人達も注目しだして、なになにどうした、ときいてくる。

「こいつオレのカメラ盗ったんだ!」と叫びながら尚も身体検査をしていると、男が突然カメラを投げ捨てて逃げた!追うアゲロス。

状況を把握したまわりの人も「そいつ捕まえろー!」と一緒になって追っかけてくれる。

ジャラバを掴まれた男はそれをつるりと脱ぎ捨て消えていった。

興奮気味のアゲロスは、まわりの人々に大きな声で何が起こったかを説明し、礼を言う。皆笑う。危ない危ない。人ごみでスられると中々取り戻しにくいし捕まえにくいのだが、せめてカメラが戻ってきただけでも幸運だろう。

人のことを言えたぎりではないが、アゲロスは既にマラケシュでビデオカメラを盗まれているうえに、物忘れや物失くしが激しいので、人一倍注意しなければ今後もっと大変なことになるぞ。

しかし、カメラを得ようとした男め、逆に自分の服を失いおって大馬鹿者だ。

宿に戻り、チェックアウトをしてバスターミナルへタクシーで向かう。首都ダカール行きのバスへ乗り込む。バス代2300セファに荷物代1500セファなどとぬかすのでそんなわけはない、と500セファだけ払ったのだが、それでもまだ高い。通貨が次々にかわるのでいくらぐらいが何円で、いくらぐらいか相場か咄嗟に判断できないのが、計算に弱いボクのだめなところだ。

そしてもちろんこのバスも満員になるまで出発しないので、待つ。待つ。待つ。後ろに座ってきたおっかさんと娘っ子二人にピーナッツをあげ、写真を撮って遊ぶ。しかし一向にフランス語が上達しないボクはさっきから「セボーン」としか発していない。馬鹿の一つ覚え。

ようやく出発したのは17時。ジャミポッドを聞きながら眠る。陽が沈む。こちらは随分と道が整備されているので進むのが速い。

徐々に人が降りていって、20時半、ダカールに到着。さて、宿探し。あらかじめ調べておいた宿の名前と、アゲロスがバスの中で誰かにきいた宿の名前をたよりにタクシーで向かう。

一つ目の宿は、見事なまでに売春宿で、次から次に若いセネガル娘達が出入りしている上に、二人で16000セファ(約3300円)と高いので、荷物を置かせてもらい別の宿を探す。

歩いているとどこからともなく男が二人現れ、「オレは港で働いてるんだけど、近くに友達がアパート持ってるんだ。そこなら二人で15000セファぐらいで泊まれると思うよ、見に行く?」と声をかけてきた。

ダカールでは少し長く滞在するなら宿よりもアパートを借りたほうが安いと聞いていたので、ちょっとついていってみる。

すると途中、あらかじめ調べておいた別の宿を発見、立ち寄ると、男二人が「ちょっとここで待っててくれ、オレが値段交渉してきてあげるから。こっちの宿の人たちは白人を見ると金もってると思って高い料金言ってくるからな。ちょっとここで待ってて。」すると「いや結構!自分で交渉できるから!」とアゲロス。

部屋を見せてもらうときも何故か男達は一緒についてこようとしたのでアゲロスが「もし後で話がしたいんならここで待っててくれ。別にどっか行っちゃっても構わないから」と断る。

部屋は二人で10000セファ、広いし割と清潔なのだが、トイレにドアがなくダブルベッド一つしかなかったので別の部屋はないかと尋ねると、他の部屋は15000だという。

すると「ドアが何だ!?ダブルベッドがどうした!?一体何の問題があるんだ!?オレがホモセクシャルだとでも思うのか!?」とアゲロスが興奮気味につっかかってきた。んなこと言うてないやろ!ただ別の部屋あるかきいただけやんか!

「おいおい勘弁してくれよジャミ。キミは古い考えもった人間じゃないだろ!?もっとモダンな男だろ!?だったらもっと合理的に考えてくれよ。部屋だって充分広いんだし、いいだろうが」くっそあつかましい!自分はいつだってあーだこーだと質問してるくせに、オレが質問した途端つっかかってきくさってからに!

結局マットレスをもう一つ部屋に持ってきてくれて円くおさまった。のか。その後も少し言い合いしてお互い納得。

荷物をとりに前の宿に戻ろうとすると、さっきの男達がまだ待っていた。もうここに泊まることにしたからアパートはいいや、ありがとう。と言うと「じゃあアパート見に行こう!」と意味の分からない提案をしだす。

「いやもういらないから。ありがとう。」と歩きだすと「じゃあ500払え。」と男。「は!?何のために500をお前に払わなきゃならないんだ!?え!?」と怒り気味アゲロス。「はいじゃあ300これコインあげるよあげるけど、それで満足なのか!?こんなことでこんな小さなお金得たって満足しないだろう?オレはミュージシャンで、ニューヨークに長いこと住んでて、ドラッグも何もかも経験してきて気づいたんだ。ドラッグはな、正常な判断力を失わせて、お前をお前じゃなくさせるんだぞ。今すぐやめてごらん。変わるから」等々と説教を始める。というかいつの間に話題がドラッグにすり替わったんだ。

意外にも素直に聞き入れ。がっしり巨体の男二人は、なんならちょっと感動した様子で「オレは今幸せだ。あんたからそうやって話してもらえて。」と言い、なんだかよくわからないがこちらも円くおさまったのかなと思ったその時

「ところでもしマリファナ欲しいならいいのあるけどどう?」

ずどーん

全っ然話理解してないやんけー

その「ところで」の感じがコントのように滑らかだったので笑ってしまった。

ビザビザビザ。ビザの為に旅をしているのか?

今朝は起きるなりすぐさまビザ取りのため出かける。まずはガンビア大使館。宿から歩いて二分の距離にあった。

「25000セファです。」えー!およそ5000円。高いが、行きたいので申請。「んじゃ、午後二時に受取りにいらしてください。」そこでアゲロスが、「マダーム、シルブプレ、私達はこれからカメルーンやギニアの大使館にも行かなければならないんです。なんとかすぐに発行していただけないでしょうか?」とお願いする。

「ちょっと座ってお待ち。やってみるわ。」待つこと15分。「はいどうぞ。」

メルシーブークー!ありがとうございますマダーム!言ってみるもんだ。

次はフランス大使館へ。こちらも歩いて割りとすぐの距離。が、ここでは五カ国共通ビザは申請できないとのこと。

さらに歩いてカメルーン大使館へ。「51000セファですね。」たっかー!10000円です一万円!アゲロスは、「絶対素敵な国だぜ。行こうじゃないか。」と言うのだが、いや確かに興味をそそられるしぜひとも行きたいのだが、先の先の予定なんて分からないし決めたくもないので、ここではまだ取らないことにしておくと告げると、「それもそうだな。」とやめておく。

今度はタクシーにのってギニアビサウ大使館へ。丁度向かいにイラク大使館があった。イ、イラク・・・ところでビザはおいくら?「45000セファよ。」約9300円・・・アフリカのビザは高い高いと聞いていたけれども、知っていたけれども、それにしてもどいつもこいつも高いんだよ!

「でもジャミ、ギニアビサウははずせないよ。トラディッショナルなミュージックがそこにはあるんだから!」と豪語するアゲロスに押され、まあせっかくだし、これを逃すと一生行きそうもないので、思い切って申請。さようなら約9300円ー

「それでは明日の午後二時にお越し下さい。」「ちょ、ちょっと待って!お願いしますマダームどうにか今日できませんか?タクシー代だって馬鹿にならないし云々・・・」とアゲロスがお願いすると、「じゃあ今日15時に。」「ありがとうございますぅぅぅ!」

15時まで二時間ほどあるので、来る途中にみかけたフランスのスーパーマーケットCasinoへ。パリを思いださせるカジノ。ノートとリンゴを買う。アゲロス遅い。何分買い物してんだ。

4袋分ぐらい色々買い込んでいた。ベンチに座ってリンゴをかじり、隣にやってきたギニア人の男達としゃべる。

そんじゃ。と立ち上がり歩きだすアゲロス。「ちょっとこれ。忘れてるよ。」ギニア人、アゲロスが忘れた袋をボクに手渡してくれた。いい加減気をつけろ。気づくまで黙っててやろうと、ひっそりそれをボクの袋に入れて歩く。

「あ何ここ、ちょっと入ろう。」ギャラリーのような所に入り、エディターの仕事をしている人を呼んでもらい、またビデオカメラの使い方についてあれこれ質問をし始める。ちょっとカメラに詳しそうな人を捕まえるといつまでも質問し続けるのだ。好き勝手に立ち止まって時間食って、もうしらね。おれしらね。

いい加減腹を立たせるのも面倒になり、何も思わなくなる。

待つこと30分。「ごめんよ待たせて。」歩いて大使館まで戻るつもりだったのに、時間がなくなりタクシーを使う羽目になったが、意外にも謝ってきたので、よしとする。

無事ギニアビサウビザを取得し、またしても、アゲロスのカメラのために、電気屋さんへと向かう。一言ぐらい「寄っていい?」とか言ってくれればいいのに、何も言わずタクシーの運転手に行き先を告げるので、やっぱりイラっとする。

電気屋であれこれまた質問責めをしている間、ボクは一人市場を歩く。宿まで戻るバスがあるかどうか道行く人に尋ね、それからこの次の目的地ガンビア行きのバスがどこから出ているかを尋ねる。拙いフランス語で。

それからそこでオッチャンと喋っているとアゲロスが戻ってきて、自ら地元民とコミュニケーションをはかっていたボクをみて「たまにはやるじゃん」と思ったのか、おっちゃんに「彼はもっとコミュニケーションとらなきゃだめなんだよね。うんうん」的なことを説明していた。ふんだ。一人の時はそれなりにやっとるもんねオレだって。今までだってそうやってきたもんね。

と少し反抗心。でもイラっとはしない。

ミニバスで町の中心まで戻るなり、懲りずにカメラカメラとカメラ屋を練り歩くアゲロス。あきれちまったい。もう気になんね。

一人先に部屋に帰って水を浴びる。

帰ってきたアゲロスとあれこれおしゃべりをして、今後の情報収集のためインターネットへ。

すぐ近くのネットカフェは普通350セファ程度の料金を500と言ってきただけではなく、自分のラップトップを持ち込んで使うなら1000セファなどとぬかすので、他を探す。

少し歩いて、アゲロスが尋ねると、「すぐそこ、このビルにあるよ」と案内してもらう。来た道を戻る。どうやら、さっき行った場所らしい。そこさっき行って高かったからいいや、ありがとう。とお礼を言うと、「君今このビルって言ったよな!?でも実際もう一つ向こうのビルだろ!?」といちいちつっかかっていくアゲロス。

だーかーらー、そんな細かいこといちいち真に受けてたらやってられんやろう!と前にも言ったセリフをまた吐くボク。

だいたい大雑把なのに変なとこ神経質なんだ。箇所は違えどなんだか自分と似ている・・・。

ようやくみつけたところで、安全情報などをチェックして、サンドウィッチを買って帰る。

思い返せばモーリタニア以来、サンドウィッチしか食べていないここ数日。

ふと思いたって目的地を変更するその身軽さ好きです

今日は朝からボクは両替にいき、アゲロスは町を散策にいき、別行動。

西アフリカ、お金の減りが早い・・・。両替をすませ、サンドウィッチを買って帰り荷造り。

これから二人してガンビアに向かうのだが、ふと世界地図をみながら、そういえばカボヴェルデは?とボクがつぶやくと、「え、なになに行きたいの?行こう!そんじゃ行こう!」セネガルの西に浮かぶちっちゃなちっちゃな島国カボベルデ。一体全体どんな国。急激にそそられる。ダカールから船とかあるんちゃうかな!?「よし聞いてくるからちょっと待ってて!」

その間に電子辞書でカボベルデについて調べる。人口43万人ポルトガル人とアフリカ人の混血及びウォロフ人が住んでいて公用語はポルトガル語だがクレオール語が広く話されている。通貨はカボベルデエスクード。なんじゃそりゃー!楽しそう。

15分後アゲロスが戻ってきた。「ガンビア行こう。」な、なにどうしたの。「船は客が少ないからもうなくなっちゃんだって。飛行機があるけど往復360ユーロもする。」そっかーあ。ちぇ。行きたかったのになー。「でも、ギニアビサウから船があるらしいよ。」まじで!よっしまだ望みはある。とりあえず

今日はガンビアに行きましょ。

歩いてガルーチェルポンピエンというバスターミナルへ向かう。

炎天下30分近く大荷物と共に。

そこでガンビアの首都バンジュール行きバスを探す。が、直行バスなんて素敵なものはないので、手前の町カオラックまでのミニバスにのりこむ。今回は運良く待ち時間少なく出発できた。

ジャミポッドをききながら風景を眺める。緑が増えてきたような気がする。そして停車する度にやってくる売り子達。

がしこん

右頭部に衝撃を受けたのでみてみると、隣のセネガル人が熟睡して頭突きを喰らわしてきたのだ。それでも尚寝続けるので、ひっそりと写真をとってアゲロスと笑う。

あとから本人に見せると「あー!ゴメンよー!」と言ってきてまた笑う。

17時前、カオラックに到着、タクシーで別のバスターミナルまで行き、そこでバンジュール行きを探す。アラビア語と英語も話すおっちゃんがいたので、バンジュールまでの行き方を尋ねると、ここカオラックからも直行バスはなく、カーランという国境の町まで向かい、そこで歩いて国境を越えハムダッライという町へ。さらにタクシーでバーラという町まで行き、バーラから船に乗ってようやくバンジュールだそうなのだ。

ややこしい!

バスだとこれからまた何時間も待たなければならなそうだったので、乗り合いタクシーにする。そこで待っている間もアゲロスはどんどん色んな人に話しかけ、ビデオカメラをまわし、そして突然別の男と踊りだした。それを見て皆が笑う。なんというオッチャンなんだアゲロスは。凄まじい。

割とすぐに出発でき、前回よりもずっとひどい悪路をゆっくりと進む間ジャミポッドをききながら歌っていると、アゲロスに「シーっ!アフリカにいるんだからアフリカの音楽きけよな!」とドライバーの流すカセットを聞くように言われる。

ちぇっ。確かにそれはそうだけど、移動中ぐらい好きにさせてくれたっていいだろう!とまた若干スネる。

一時間強。悪路を乗り越えついにカーラン、国境に着いた。出国をあっさりすんなりとすませていよいよガンビア入国へ。

するとそこに待っていたのがとんでもない野郎だったのです

一旦ガンビア日記へ。




セネガル(2009年9月29日〜2日、)