ついに・・・1055日目にしてついにウガンダへ

出国イミグレーションを素通りして、入国側へ。カードに記入し、ビザ代50ドルを支払いスタンプを押される。

ついに・・・ついに来たのだ・・・ウガンダーーーーーーーーー!!!!!!

思えば長い旅路だった。2007年の三月に、ウガンダへ行ってまいりますと祖国を旅立ってから早三年近い月日が流れていた・・・。そもそも世界を旅するきっかけとなった国、ウガンダ・・・。

そんなウガンダをいつも後回しにして、やれアジアだオーストラリアだ欧州だ西アフリカだのと・・・お前は本当にウガンダに行く気があるのかと、言われてはいと答えても誰も信じてくれないほど迂回したけれど・・・ついに約束の地へ辿りついた。

という感慨に耽る間もなくバスへ乗り込む。友達に勧められたフォートポータルという西部の町へ向かうのだが、直行のバスは国境からはなく、一番はじめの大きな町マサカで乗り換えなければならない。

マサカ。タンザニアにはマサキという町もあったが、なかなかどうしてアフリカの地名は日本人にも馴染み深いものがおおい。ココムレムレ、ムズズ、マサキ、マサカ。探せばマサコやココムズムズも出てきそうな勢い。

ウガンダは全体的に標高が高く赤道が通ってはいても冷涼な国だと聞いていたが、冷涼を通り越し寒いではないか。さきほどから振り出した大雨のせいで、それなのに窓を開け続ける集金係のヤツらのせいで。

二時間ほどでマサカに到着すると、雨もあがって寒さも和らいだ。ここからフォートポータル行きのバスがあるとかないとか、なのだが、実をいうとこちらの通貨ウガンダシリングを1シリングたりとも持っていないのだ。

国境で、残りのタンザニアシリング5000を両替しそれをそっくりそのままマサカ行きのバス代に使ったため、もう何もない。ATMを見つけねばこのまま路上で果ててしまう可能性もなくはない。ないけれど。

ガソリンスタンド横に簡易ATMが設置されていたので行ってみると、うすうす入る前から感じていた予想が見事に的中、「申し訳ございません。ただ今停止中です」

店員に尋ねると坂を上った先にもう一つATMがあるというので、それを信じて歩く。そこのATMが使えなければ、数キロ離れた町の中心まで戻らなければならない・・・。

同じようにガソリンスタンド横にさっきとは別の銀行のATMを発見。神妙な面持ちでカードを挿入。ピッ・・・・ポッ・・・パ・・・

ウィーガシャガシャガシャ

やりました。この音が聞こえるといつも安堵するのだ。カードが利用可能で、紙幣がマシンの中でバサバサと数えられている音がすると、よし使えた、余計な体力を消耗しなくて済んだ、と。

多めに40万シリングもおろしてみたが、それが日本円にしていくらなのか定かではない。

タイミングよくバスが給油中だったので行き先を尋ねると、「ムバララ行きだよ。どこへ向かうの?」フォートポータルという町へ行きたいのですが。「だったらここから直行はないから、ムバララで乗り換えるといいよ。」ムバララへ。

既に満席だったので、バス入り口付近、運転席隣のスペースに座布団を敷いてもらい座る。背もたれがないためなかなかのバランス感覚を要する。

これまた二時間ほどでムバララへ到着。バスを降りるなりバイクタクシーやミニバスの客引きがたかってきた。とりあえずバス停へ歩いて向かう、そこからフォートポータルへいきますと告げると、「バスそこにいるよ!ここで待ってな!」またもや給油中のバスがタイミングよく現れ、乗り込む。

ミニバスなため随所で客を乗せては降ろしを繰り返す。助手席を与えてくれたのでその度に席を動いたりしなくてすむのはいいのだが、それにつけても停まりすぎるミニバス。町を通過するときは10メートルおきに停まる始末。

気にしてはいけないと不貞寝を決め込むこと数時間。ふと目に入った看板を見て驚いた「フォートポータルまで95キロ」既に三時間位は経っているはずなので、距離にして100キロ近くは移動していてもおかしくないのに、まだ95キロあるのか?

フォートポータルってどこだ?どれくらい遠いのだ?

友達の「フォートポータルお勧め」の一言のみでここまでやってきたので、距離や位置関係などが一切分からないのです。

その後も停車を繰り返しながら少しづつ走るミニバス。陽が傾き始めたころ外の景色を見やると、あら?あらら?

出ましたゾウさん。

あまりにも不意打ちだったためしばらくそれがゾウだと認識できずに、突然携帯電話を与えられたチンパンジーのような表情で見つめてしまった。

そしてゾウ追突注意の看板。アフリカでないと存在しえない看板に心躍る。

さらに茶色い動物が数頭うごめいていた。ヤギや牛とも少し大きさが違うような・・・

来ましたイボイノシシさん。

今にも二足で立ち上がりハクーナマタータと踊りだしそうな御姿!!イボイノシシなんてライオンキングでしか見たことなかった気がする。そしてこういった動物達が家畜感覚で現れる東アフリカに改めて感激。そりゃ皆西へは行かず東に来ますよ。

15時半にムバララを経ち、朝からマンゴードリンク一本と牛串一本(小さな肉片を三個)しか口にしてなかったため空腹が限界を超え、船を降りてから一度もトイレに行っていないため尿意も麻痺しそうになってきた頃、時刻にして21時、漸くフォートポータルへたどり着いた。

宿探し。とりあえず町の中心部を歩いてみる。そして町を外れる。引き返す。町の中心部に普通に宿あった。納得いく物件が見つかるまで何軒も回る。

宿のスタッフに、他に安宿知りませんか?などと聞いたら普通は嫌な顔をするものなのに、わざわざ「あそこが安いよ」と案内されたりしてウガンダ人に好感を持ちつつ、7軒目にしてついに安くて良さそうな宿を発見。

電気、水、さらにお湯が使え、部屋にコンセントがあり尚且つお安い。完璧です。

荷物をおろすなり喉の渇きと空腹を満たすため食堂を探しに。がもう22時をまわっていたのでどこも「終わっちゃったわよ。」

今私は米が食べたい。屋台でチキンやチャパティ、キャッサバを食べるという手もあるのだろうが、今私は米が食べたいのだ。

町を二周ほどしても見つからなかったので、ここ高そうやからなあ・・・と避けていた宿のすぐ近くのレストランへ行ってみると、普通の料金だった。

大体いつもこんな感じである。なんとなく避けて通る店が結果的に近かったり安かったりして無駄に体力を費やすのだ。

ライス&ビーフを注文して、何故か大急ぎで食べる。米の炊け具合が残念ながら西アフリカクオリティだったが、ともかく空腹は満たされた・・・

宿併設のバーでビールではなくファンタを小粋に飲んで、お湯でシャワーを浴び、移動に次ぐ移動で蓄積した疲れを取り除くべく、いざ就寝。

パッションフルーツが安いカンパラ


翌日は一日フォートポータルの町を練り歩く。大きすぎず小さすぎない町でなかなか居心地はいいのだが、Mountains Of The Moonという山々が見物だというのに雲ってほとんど見えないどころか、雨が降り続けたりするものだから、もう一泊すると発つことにした。

昼前のバスで首都カンパラへと向かう。

二時間ほど走ると、カンパラとフォートポータルのちょうど間ぐらいにあるムベンデという町に到着。物売りがやってきたので窓から牛串を買い、いただきます。

なかなか噛みごたえのある、要は固い肉だが、旨い。炭火で焼いただけの肉なのに。これでお値段25円。

16時頃カンパラに到着。さきほどの牛串がたたったのか、腹部の調子がどうも・・・

トイレー!!!

コーウンにもバスターミナルにトイレがあったので最悪の事態を免れた。

そして今夜の宿探し。New ABC Hotelという所に旅行者が多く集まるときいていたので向かってみる。が、一泊15000シリング(750円)もするくせにやけに騒々しいので、他の宿へ。

町の中心部を数軒回るも、どこも同じような質で同じような料金。ちょっと離れてみましょう。

ほらみつかった。ほんの少し離れただけで、Dolphin Guest Houseという一泊10000シリング(500円)の宿を発見。チェックイン。インド人のオーナーやスタッフが親切なので気に入る。

シャワーを浴び、洗濯をすませ、辺りを散策してみる。と見慣れない物体が道路脇で売られていた。

パッションフルーツ。アフリカを旅してきて初めて見たような気がする。8個で1000シリング(50円)だったので迷わず購入。きっと日本で買ったら高い果物の一つ。そもそも日本でパッションフルーツなんて食べたためしがない。そんな情熱的な果物わたし・・・

安食堂でカトゴと呼ばれる、食用バナナとジャガイモをふかしたもの、米にビーフ風味のソースをかけたウガンダ料理を頂く。なかなか旨い。バナナをご飯物として食すのには違和感があったが、食べてみるとバナナのヴァの字も味がしない。むしろジャガイモみたいな味でイケた。

宿に戻り、洗面所でハミガキをしていると、なんだか視線を感じ、ふと鏡をみると、その鏡越しに妙なオッサンに凝視されていてぞっとするという小ハプニングがありつつも、今日も一日平和に過ごせた。

ロレックスが35円で買える国


またもやカウチサーフィンを活用し、人の家へ泊めてもらう手筈をとった。今回はウガンダ人のポールさん。バスターミナルで待ち合わせをし合流。

「遅れてゴメン!あ荷物持つよ!」

会って二秒でいい人だと直感する。ポールの家はカンパラの町から二十分ほどだというので、マタトゥーという乗り合いバスで向かう。

ソヤという町で降りる。「このソヤって町名、大豆(Soya beans)からきてるんだよ。ここらへん大豆屋が多いから。」なるほど。日本で言うところの、醤油町だな。

そんな町が日本にあったかどうかはさておき、ポールの家へ到着。一人暮らしの彼の部屋は、寝室にベッドと小さなリビングにテレビ、ソファー、棚があるだけのシンプルなものだが、カンパラの安宿なんかよりずっと居心地がよさそうだ。お邪魔いたします。

あれこれ自己紹介がてら喋り、ポールの職場のあるカバラガラという町へまたしてもマタトゥーで向かう。

「カバラガラはバーが沢山あって、娼婦も一杯いるからよく白人のおっさん達が買いにやってくるんだ。ちなみにこの町名はルガンダ語でパンケーキって意味なんだよね。」

パンケーキ屋の類は一切見当たらないのだが、何がどう由来してそうなったのだろう。ウガンダで最初にパンケーキを食べちゃった人がこの町の出身だったのかもしれない。パンケーキ・・・。日本でいうところの、原宿だな。あの町はクレープ屋が軒を連ねているからハラジュk・・・

クレープと原宿という町の名前の関係性については深く追求しないままに、ポールの職場へ案内してもらう。学校でソフトエンジニアやパソコンの使い方などを教えているらしい。

職場の同僚や先輩達に挨拶し、スーパーで買い物をして豆町へ帰る。

ポールはニュース番組が好物だそうで、家に着くなりテレビをつけて見始めた。イラクで自爆テロ、エチオピア航空機墜落、ハイチ地震・・・なんだか気が重くなるニュースばかり延々と流れていたので凹む。

おまけに腹も凹んできた19時すぎ、「ジャミ、ロレックス食べたことある?」ときかれ思わず首をかしげた。

ロレックスは食べてしまうにはもったいないというか、ガッチャン以外の生物はあまり進んで食べようとはしない貴金属の類だと認識していたのだが、そうなのか?ここウガンダではロレックスはガッチャンでなくても美味しく頂いちゃうような風習があるのか?

食べたことないけど・・・迷いながらそう答えると、「チャパティは知ってる?」そりゃあ勿論、インドにいた時からよく知ってますとも。「そのチャパティでオムレツをラップサンドよろしくくるくる巻いたやつが、ロレックスなんだ。」

あ、ええと、ガッチャン的要素を盛り込んだものでは、「ないよ。」なんだそうだったのか!しかしなんでまたロレックス。スペルも同じなのですか?「うん。ROLEXだよ。」

高級感を持たせたかったのだろうか。確かに、プロフィールの好きな食べ物の欄に「ロレックス」と書くと若干セレブリティなにおいがしなくもない。

というわけで、そのロレックスを買いに、屋台へ。ロレックスが屋台で手に入る時代がついにやってきた。

家に戻ると丁度仕事を終えたポールの彼女、サンドラもやってきて三人で頂く。ロレックスを、イタダキマス。

旨い。もちもちしたチャパティとオムレツのコンビネーション。それはまるでのび太と黄色いシャツのようにグッドな組み合わせであった。彼に赤は似合わない。

それから映画をみたり、あれこれ語らいあったりして23時過ぎ床へ。

ヴィクトリア湖に潜み蠢く何かに甘噛みされ慄く

今日は火曜日だが祝日だそうで、仕事が休みなサンドラは朝からポールのために炊事洗濯をせっせとやってあげている。なんとも気の利く女性である。

そんな彼女を放って、「湖行って泳ごうぜ!」と男二人は?気に外出。マタトゥーで少し走ると、すぐに、アフリカ最大のヴィクトリア湖に到着。

さあ泳ご・・・と思ったのだが、水は一面の緑。浅瀬ですら底がみえないほど濁りきっている。こりゃ無理だよポール。マラウイ湖ぐらいきれいだと泳ぐんだけども・・・とりあえず椅子に座ってくつろいでみる。

すると次から次に現地の若者達がやってきては湖にダイブし気持ちよさそうに泳ぎはじめたはないか。そ、そんなでもないのかな?一度飛び込んじゃえば結構大丈夫なのかな・・・?ジリジリときつい日差しに後押しされ、やっぱり泳いでみることを決意。パンツ一丁でいざヴィクトリア。

やっぱり間近でみても汚いが、ひんやりとした水が気持ち良い。プカプカ浮かんで涼んでいると、

にゅるっ

と足元を何かがかすめた。どう考えても石コロや木ではない、生き物の感触・・・少し驚いたがまあ魚でしょう、と気にも留めず引き続きプカプカする。と、

ガブっ

ヒャーーーー!!!!明らかに今ガブって。ガブって来た。歯のある生物に噛まれた!!!それも甘く!!!水が濁って何も見えないものだから得体の知れない生物に対する恐怖心に拍車がかかり、その場でひとりじたばたする。

が他の皆に悟られると笑われちゃいそうなので、平静を装って、いかにも「あーあちょっと泳ぎ疲れたから休もうっと」という雰囲気をかもし出しつつ速やかに陸へ上がる。

助かった!!!一体なんだったのだ今の甘噛みは・・・甘噛みプレイが好きな誰かが潜んでいたのか。

ふとポールに目を向けると、足の着くところでひたすらじたばたしている。どうした!?ポールも甘噛みされてるのか!?大丈夫か!?

「なんで沈むんだろ・・・・」泳げないだけか!!

ここにも居た、泳げないアフリカ人。意外と多いのかもしれない。「ねえジャミちょっと泳ぎ方教えてくれよ」

謎の生物が怖いから本当はもう泳ぎたくなかったが、ポールがあまりにも沈みっぱなしで見ていられないので、再び恐怖のヴィクトリアへダイブ。

格好良くダイブしたが同時にパンツがずるっと脱げてしまう。が、水の汚さが功を奏し、バレずに済んだ。

こうやってただ体の力ぬいて水面に寝転んで、あとは手をふわふわ動かしてれば沈まないよ。とやってみせる。「こ、こう?・・・ぶくぶくぶく」こう?と聞きながら同時に沈んでいくポール。ジャック?

「くそ!何で沈むんだ!」じゃあこれは?と平泳ぎをしてみせる。カエルみたいに動けばいいんだよ。

「なるほどカエルね。こうかな。こ・・・ぶくぶくぶく・・・」面白いほどよく沈む。

謎の生物に噛まれたくないため極力水底に足をつけないようにしつつしばらく指導を続けるも、一向にポールが浮かぶ気配がないのでお先に上がらせてもらう。

「もういいや!ところでジャミは水中でどのぐらい息止めできる?」うーむ。一分ぐらいかなあ。「よし、オレもやってみる。計っといてね!せーの!」

記録3.5秒。ウソやんポール!!!?出てきたとき「プハーっ!!!」って物凄く大きく呼吸してたけど、3.5秒やん!?「もう一回!せーの!!!」

記録4.5秒。プハーっ!!!!プハー言うほどちゃうやろポール!!!もうちょっと頑張れ!

最終的に15秒という好記録をたたき出し、満足してポールも上がった。

家に帰るとサンドラがご飯を作ってくれていたので皆でいただく。牛肉の煮込みとライス。旨い。気がきいて、物静かで料理も上手で。日本人が描く理想の女性像みたいな子だ。

今まで見てきたアフリカ人女性が得てして豪快な人達ばかりだったので、こういう女性も居たのかとやけに感動してしまった。なので彼女のような女性を甘噛み系アフリカ女子と名づけよう。

特に深い意味はない。

ポールとジャミラの間の違い

ポールは割とよく喋る人で、食事中や移動中など、あらゆる場面であらゆる話題についてよく語り合う。

例えば結婚。「日本では、結婚するとき何が必要なの?」うーん、公的には婚姻届を役所に提出すればそれで結婚したって言えるね。「はっ!?それだけ?それで終わり?」公にはね。

「じゃあ文化的には他に何が必要なの?」あとはね、両家の両親に挨拶に行って、結婚させてくださいってお願いしたり、新居を探したり結婚式したりかな。あその前にプロポーズだ。で指輪あげるんだ。

「へえ〜。ウガンダとは全然違うや。ウガンダではね、まず最初に叔母に報告するんだ。」はっ!?叔母って、両親の姉妹?「そう。でその叔母から両親に報告してもらうんだよ。」

なんだそれは。叔母が介入してくる余地が一体どこにあるのだ。そもそも日本では、叔母や叔父というポジションはさほど、直近の家族としては重要視されていないような。基本的に両親と子供たちだけで何事も取り決められている気がする。勿論そうでないところもあるだろうが。

「それから、男は、牛とか色々買ってあげなきゃならないんだよ。だから大体400万シリング(20万円)は結婚するのに必要なんだ。大変なんだよ。結婚式の費用だって要るし。」

それはそれは・・・日本でも結婚式にはお金が沢山かかるけど、ご祝儀っていう便利なシステムがあるからいくらかは戻ってくるんだよ。「何だそれ!」

そして話題はさらに膨らみ、宗教、死後の世界へ。

「ジャミは神を信じているの?ボクはクリスチャンだから信じてるけど。」うーん。信じているといえば信じているけど。時々神様にお願いしたりはするけど、でもそれはブッダじゃないし、キリストでもアッラーでもないよ。

「へ?じゃあ誰なの?ジャミの神は。」よくわがんねんだ。なんとなくこうふわっと「神」の存在を信じているような気はするけれど、それが誰かはよく分からない。

「訳わかんね!誰かも分からないものを神だっていって信じているの?でその神はどこにいるの?」そんなのもっと分からない。目に見えるものでもないし。それに神なんて誰だっていいんだよ。例えばこのスプーンでも、ウンコでも、ウィルスでも。その人が神だと思えばそれが神なんじゃない?

「あーーーー。超変だよその考え。ボクからすると。」そりゃそうだろうね。ずっとクリスチャンとして生きてきたんだもんね。そもそも日本では一つの宗教に依存して、それだけを信じて生きていくって考え方があまり一般的ではないからね。日々の生活の中に、神道や仏教やキリスト教がごっちゃになって溶け込んでるから。

「へえ。いや面白いなあ。個人的にジャミはキリスト教のことをどう思う?」うーん。別にキリストが神だなんて思わないし、キリストの教えを守ろうとも思わない。なんとも思わないよ。それだけ。クリスチャンの人達がそれを信じて、信じることによって守られたり救われたりするような気持ちになれるんだったら信じればいいと思う。その人が幸せなら。

だからスプーンやウンコを神だと信じて生きる人がいてもなんとも思わない。いや、ちょっと変だなとは思うかもしれないけど、それで彼らが幸せな気分になれるんだったそれでいいと思う。

「あーなんかますます変だよジャミ!ちょっとこれ動画に撮りたい!こんな興味深い話!ジャミカメラかしてくれる?」

そう言って急遽、ただのおしゃべりがデジカメムービーインタビューになってしまった。なんだか照れくさい。

「それじゃジャミさ、この世界はどうやってできたと思う?」ははーんそれね。神はこの世界作ってなんかないと思う。じゃあ神は誰が作ったのって話になるでしょ?きっと、妙な微生物が突発的に現れて、それが色んな形に進化してこうなったんだと思う。

「何でそう思うの?」理科で習ったような気が。「理科の話はおいといて、個人的にはどう思うの!?」いや、その理科の通りだと思う。個人的にも。

「じゃあもしジャミが学校にも行かないで、そんな話も習わずにいたとして、その時ジャミはどうやって世界は作られたって考えると思う?」とりあえずグーグルで検索するんじゃないかしら

「学校行ってないってことは文字も読めないだからグーグルだってできないってことだよ!」えー。そんな人なら、いちいちそんな、世界はこうして作られた!とかって事について考えを巡らせたりなんかしないと思う。せいぜい、今日の晩飯何にしよ、ぐらいでしょ。

「ふーむ。ちょっと話戻るけど、地球はどうやって作られたと思う?宇宙は?」

そんなこと人間には一生分からないと思う。次元が違いすぎる。我々みたいなちっぽけな生物の想像や理解をはるかにこえた先にあるから宇宙がどうのこうのなんて言ったって、それの真偽を人間に確かめることはできないし、だから人間内で勝手に宇宙はビッグバンでどうのこうの!とか神が云々!て話作って満足してるだけでしょ。だから逆に、どうとでも考えられていいよね。

「なるほどね。話題変えましょ。死後の世界ってあると思う?ちなみにこないだ友達と話してて、天国がどんな所か聞いたらそいつ、オレ知ってる、天国ではただただ食べて踊って寝るだけなんだよって言ってた。ボクはそんな天国なら行きたくないけど。」なんじゃそりゃ!そんな天国ボクだって死んでも行きたくないね!毎日食べて踊って寝るだけなんてくそつまらないじゃないか!働くから食べるのも踊るのも楽しめるんだよね。働いてたいな。

「ともかく、死後の世界はあると思う?」あるんじゃないかな。でもいいや。死んだ後のことなんてどうでも。「それはボクもそう思う。ちなみに、生まれ変わりってあるって信じてる?だとしたら次何になりたい?」信じてるというか、あるとは思うけど、それも何でもいいや。スプーンでも、ウィルスでも。なんでも。知ったこっちゃないから。

等々と、カメラのメモリーが一杯になって切れてもずっと語り続けたのであった。「いやー!ほんと変わってるよ、ジャミの考えは!」ボクからするとポールの考えも充分変わってるって思えるけどねえ。

日本で普通に生活していると、こういった、違う宗教や国の人と喋る機会なんてほとんどなかったので、実に面白い。旅をしてどんどん新しいことを知る面白さ。

何故ウガンダだったのか

冒頭から申しておりましたように、ウガンダはボクが世界を旅するきっかけとなった国。何故。理由は至ってシンプルで、来たかったから。

では何故来たかったのかというとそれは、かつてとあるボランティア機関を通して支援していた恵まれない子供がウガンダの子だったからなのだ。名前はトニー。

二年間ほど支援を続け、時には手紙のやりとりもし、会いに行くから待っててね、「楽しみにしてます」などと対面を約束していたのにも関わらず、そう誓って旅立ったのにも関わらず、ちょっとアジア見ていこうか。と旅してみたらあっという間に一年も経ってしまい、そうこうしているうちに「チャイルドの転校にともない、この度支援が終了いたしました。ありがとうございました。」

支援終わっちゃった。

のだ。さらに己の資金も尽きてオーストラリアで労働せざるをえなくなり、また一年の月日が流れ、再び旅立ち今度こそウガンダへ。と思い蓋を開けてみたらエジプトだったり、さらに不意の欧州ツアーが組み込まれたりもして夢みた地ウガンダはどんどん遠くなっていき・・・

西アフリカでしょげそうになりつつまた三ヶ月の月日が流れ・・・一番初めに出国した日から数えて1055日目にしてようやくたどりついたのだった。

さあトニー!待ってろよオッチャンが会いにいくからな!と意気込んでみるも、既に支援は二年も前に終了しているため、ボランティア団体の現地オフィスの人間でも彼の行方をつかむのは難しいとの返答。

ならばオフィスを訪ねて活動内容などを少しでも知れたら、と日本オフィスのスタッフに都合をつけてもらとうとするも、「現地のスタッフも日々支援活動に奔走しておりますので、そういった合間を縫って時間を作るのも難しいようです。」

尻SUBOMI・・・最初の勢いが、終わりに近づくにしたがってなくなってゆくこと。(大辞林より)

窄みすぎて尻の穴閉じちゃった状態ですこれはまさに。そもそもの目的を何一つ果たせなかった。トニー!会いたかったよトニー・・・。

が、「転校のため支援終了」というのは、学校を途中でやめてしまう子供が少なくない中で、より多くを学ぶためにボランティア団体の管轄外の学校へ行ったということで、トニーの状況としては決して悲しいものではなく、むしろ喜ぶべきことだそうなので、対面は果たせなかったけれど、きっと元気に毎日学校へ通っていることだろうと信じておけば

一応目的を果たせたことになるのではないか。

どうですか。こういう結末。

大御所現る

トニーには会えなかったけれど、その代わりにというか、とんでもない人物にあえました。アメリカからやってきた大御所R&Bシンガー。R-Kelly。(ご存知でない方はどの程度大御所なのか、こちらのウィキペディアをご参照くださいませ。)

何故そんな大御所がピンポイントでウガンダにやってきたのかは皆目見当もつきませんが、ともかく滅多に日本にすらやってこない人なので、この機を逃す術はないとばかりにチケットを購入して拝んでまいりました。そしてこのR-Kellyのくだりはここで書き連ねても面白くもなさそうなので、興味のある方のみこちらのジャミラ!をご覧くださいませ。

(ライブレポートを読んでいただいた体で続けます)

ライブ終了後、ウガンダ中から集まったといっても過言ではない一万人を超える聴衆が、一斉に退場するものだから、そして誰もが「我先に」と行き急ぐものだから

出口パニック。

一万人を吐き出すには小さすぎた出口では、その「我先に」軍団が押し合いへしあいしてもはや手のつけようがない様子。「キャーーーーー!!!」悲鳴もきこえてきた。おしくら饅頭してみんな仲いいんだなあ。

あまりにも仲が良すぎるので、警察が、「こらお前ら!待てい!さもないと・・・」と言って足元の警察犬に何かを指示して吠えさせ、おしくら饅頭組を落ち着かせようとするも、余計にパニックになる。

仕舞いには出口の扉をよじ登って出ていったりする輩も現れる。

あかん。こいつらもう完全にゴリラや・・・そう言って友達と後ろへ下がり、落ち着くのを待つ。「出口の向こうにR-Kellyがいるわけでもないのに何でそんなに急ぐんだろう?」まさにその通りだ。出口の向こうには道路と、タクシーが待ち受けているだけなのに。

しばらく待って外へ出る。一体全体このゴリラズは何のためにあんなに急いでいたのだろう。いつもはアフリカンタイムで適当に暮らしているのに、何故こういうよく分からない場面で急ぐのだろう。

彼らには是非日本のスーパーのタイムセール等に力を発揮していただきたい。

ジガの恐怖で自我が崩壊

「レンガを買って、半分自分で使ってあと半分売りさばくとなかなかの儲けになるんだよね。」というポールに連れられ今日はブサバラという彼の親戚が住む村へ。

陽が沈む頃に向かったのであまりくっきりとは見えないが、少し高い位置にあるその村からはヴィクトリア湖が眺められてなかなか清清しい。

早速レンガ職人らしきオッチャンと路上で交渉するポール。「レンガの大きさは全てこれぐらいで」と地面に枝で絵をかき寸法を伝える。寸法をきちんと伝えてはいるのだが、その路上に書きしるす様子がいかにも原始的で微笑ましく感じた。

交渉を終え村を歩いていると、「ジガって知ってる?」ときかれた。なんですかそれは。「寄生虫の名前なんだけど」はっ・・・知ってるその寄生虫話!あれでしょアフリカの川とかの中にいて、裸足でいるとその爪と皮膚の間から体内に侵入してきて寄生するやつでしょ!

「水中だけじゃなくて、ジガは砂の中とかにもいるんだよ。だから村に行くときは絶対靴をはいてなきゃだめなんだ。あいつらが皮膚を破って侵入すると、しばらくたって体の中から、外じゃないよ中から、おぞましいほどのカユミをもたらすんだ。」

かゆいという症状が果てしなく嫌いなボクにとっては地獄以外の何でもないような状態ではないですか。しかも内側から。どうすりゃいいのさ。「侵入して二日間ぐらいはまだほとんど動いてなくて、皮膚の下に見えるようなところにいるんだ。だからそこの皮膚を針とかでチクチクいじってジガを取り出すんだ。」

気持ちの悪い。トゲがささった時に針でチクチクするのは何ともないが、相手がジガなんていう得体の知れない寄生虫だと思うだけでなんだか全身をかきむしりたくなるほど気持ち悪い。

「村の方ではジガで死んでしまう人も多いんだよ。皆サンダルで生活してるから。あともちろんマラリアとエイズもね。」

ほとんどの人が満足な治療や施設を得られていないために命を落としてゆく。ウガンダ人ないしアフリカ人の平均寿命はなんと45歳程度なのだ。ちなみに先進国は大体が70〜80歳前後。

あんた百までわしゃ九十九までなんて言える日本に改めて感謝せねばならない。45歳ってあなた更年期障害で悩む間もないじゃないですか・・・。

今度はカニバリズム談義で若干卍(マジ)

そんなわけで気がつけばもう十日近くポールの家にお邪魔し続けているジャミラ。トイレは外のボットン便所だし、シャワーはバケツで冷水だし、部屋だってそこまで広いわけでもなくてソファーで寝ているのに、何故かなんだか居心地がよいのです。

何処にいるかじゃなくて、誰といるかなんです人生って。

超豪華庭付き一戸建てに一人住むよりも、六畳一間のワンルームに愛する人達と暮らすほうがいいではないですか。超高層ビル30階の高級フレンチレストランで一人ディナーよりも、皆で食べる給食のほうが美味しいではないですか。要はそういうことなのだ。人生って。

と何かを悟った気になりつつさらに数日を過ごす。

仕事を終えたポールに連れられ市街地から少し離れた小さな村へ。「レンガをね、大量購入しようと思ってるんだよ。」

なぜにレンガ?「半分ぐらいは今たててる賃貸用の家に使って、残りは転売。結構な儲けになるんだ。」

ほほう。自分で何かを仕入れて、それを糧に商売をしたことなんて一度もないボクからすると、レンガ一つでもちょっとしたビジネスができるなんて。と感心せずにはいられない。

ボクのビジネス経験は、ヤフーオークションに不用品出品、程度なんだよね。

親戚だか知り合いだかの家へ向かい、早速商談にとりかかるポール。レンガの大きさから単価、発注数などをメモにとりつつ話し込む彼らをよそに、ボクはただ一人、やたら足踏みを止めずにいた。

楽しいわけじゃないの。嬉しいわけでもないの。漏れそうなわけでもないの。

ジガの恐怖に怯えてるの。

この間のジガ話のせいで小さな村=ジガいます!という単刀直入な答えを勝手に導きだしてしまい、さらにボロボロのサンダル以外履物を持っていないため、いつジガが侵入してくるやもしれぬとひそかに足踏みしているのである。

実際そんな簡単にジガにやられるわけないのに。思い込みがもたらす効果とは恐ろしいものだ。そもそも足踏みで防げるかどうかも不明なのに。

15分間絶えず足踏みを続けて若干の疲れを覚えはじめたころようやく「オッケーそんじゃかえろっか。」とポール。なんだかよくわからないが商談成立のもよう。

家に帰り、いつものようにロレックスを買いにいくも、「本日定休日」チーン。

旨い安食堂が辺りにないので、結局家にあるものをかき集めてできあがった、アボカドライスを頂く。アボカドを刻んでご飯にぶちまけただけの代物であることは言うまでもない。

が、それに魔法の液体醤油を少量たらすとあら不思議。ケータリングカーで週末の台場なんかで売られていてもよさそうな仕上がりに。

何はなくとも醤油があれば生きながらえられる。日本人だから。

食後、ニュースを観ながらああでもないこうでもないとおしゃべりを続けるうちに、またしても火葬の話に。「ボクは死んだあとのことはどうでもいいからやっぱ燃やされてもいいけど、サンドラはどう思う?」

「えーやだよ。私は埋められたい。」「なんで!?死んだあとなんか意識もなんもないんだから、どうなったっていいじゃん!」「やだ!」

と言いあう二人に割って入り、そういえば、ほんの少数だけど、火葬のあと残った骨を食べる日本人もいるみたいだよ。と言うと

「うぇえ!?なんで!それってカニバリズムじゃん!」

いわゆる食人習慣のことなのだが、それは違うよ!カニバリズムではないよ!「カニバリズムでしょう!だって食べてんでしょ!?」

ちーがーう!カニバリズムは、ただ食べたいから食べてるんでしょ!そして食べるために殺す作業を伴ってるでしょ!遺体を燃やしたあとの骨を食べるのとは根本的に違うよ!

「一緒だよ!じゃあその骨を食べるのがカニバリズムじゃないとしたら何なの?」

知らない。そんなのに名前なんて別に必要ないし!「そもそも何で食べるの!?」

それはあれでしょう、死んだ相手を体の中に少しでも留めておきたい、覚えておきたいっていう気持ちからじゃない?

「やっぱカニバリズムじゃん!」だからちーがーうーっつってんだろうがンナロ!

何をそんなカニカニとムキになっているのかよくわからないが、興奮して「そうだ!」違う!の押し問答を繰り返していると、一人冷静なサンドラが、「まあいいじゃん。ていうかこれみたことある?」

と話題をテレビにかえてくれたためボクとポールも大人しくなった。サンドラが一番若いのにしっかりしているではないですか。

その夜こっそり電子辞書を開きカニバリズムについて調べてみた。

対象は死せる親族や殺した敵等で、前者では死者との永続的な関係の保持、後者では報復など、その動機は多々あるが、共通する究極の動機は、対象のもつ呪術的な力を自己の仲に取り入れようとするものとされる。

カ、カニバリズムやんか・・・・。てっきりボクは、「おなかへったからあいつたーべよっ」という、空腹を満たすために人を食う習慣をカニバリズムと呼ぶのかと思っていたが、随分違っていたようだ・・・。

いまさら「ポール君の正解。」だなんてあんだけムキになって吠えた後どの面さげて言えばいいのかわからなかったので、結局この話題については掘り返さないことにしておいた。

そんなポール君ないしウガンダとも別れの時

ウガンダで遂行しようとしていた事柄も、不完全燃焼ながら終了して、そろそろポール家に居座り続けるのも気が引けてきたので、お暇させていただきます。とポールに告げる。

「えぇ!あぁぁ。ジャミいなくなったらさびしいじゃんか。」そう言ってくれるのはとっても嬉しいのだけれど、ボクにはまだ行かなければならないところがあちゃこちゃあるんだ。「そうか。じゃあ明日見送るよ。」

異常気象なのか、ここ数日やけに暑く、扇風機なしでは寝られないのだが、ポール家には一台しか扇風機がないため、最後の夜はポールのベッドにお邪魔して寝ることに。

「Hey, It's not a gender. not a gender....」はい?

夜中に突然こう語りかけてきて、すぐまた寝たポール。これが噂の寝言というやつですね?しかしどういう意味ですか?

「おい、それは性じゃないよ、性じゃないんだよ・・・」訳してみても謎は深まるばかり・・・。

おかげでこちらまで意味不明な夢をみて翌朝起床、その不気味な寝言をポールに伝えると「何それ!どういう意味!?」こっちが聞いてんだよ。

気をとりなおし、荷物をまとめシティセンターにあるバスターミナルへと向かう。ケニヤとの国境に近い町トロロ行きのバスに乗りたかったのだが、生憎もう出てしまったらしく、そのトロロに近いムバレという町行きのバスへ乗り込む。

ここでついにポールともお別れだ。気がつけば十日以上も居座ってしまって申し訳ない!本当に楽しかったありがとう今度は日本おいで!バイバイ!

しばらくしてバス出発。途中停車した所で牛串を購入。これが食べられるのももう最後かもしれない。二本食べちゃいましょう。

三時間半ほどでムバレに到着するなりすぐさまトロロ行きのマタトゥーに乗り込む。トロロ。トロロ。

日本人にはなんとなく耳なじみのある町トロロ。ようやくそこへたどり着いた頃にはもうすっかりしっかり夜の8時だった。降ろされた場所から一番近かった宿にチェックインし、荷物をおくなり屋台でロレックスを購入。こいつも食べ納め。さびしくなるよロレックスがなくなると。

翌朝早々に出発、国境へ向かうマタトゥーを探して歩いていると、「こっちだよ。」と案内してくれるおっちゃんが現れた。

ちょうど方向一緒だから、という雰囲気だったので素直についていく。そして少々お話しをする。と。

「紙とペンある?」あるよ。はい。そして何やら書き始めるおっちゃん。

「これね、そこ工事中なんだけど、工事するのにショベルカーが必要なのね。でそのショベルカーが大体30000000シリングぐらいなんだけど、いくらかくれないか?そこに両替屋あるから日本円でもいいヨ」

紙とペンをリュックから取り出すときに、にょきーっと首を伸ばして中を覗き込もうとしていたのが何だか妙だな、と思っていたらやはり妙な男だった。

日本円でもいいヨっ。って貴様。叱りつけるのも億劫だったので、マタトゥーは自分で見つけるのでどうぞ貴方様はどこかへお行きください。と追い払う。ウガンダ最後の最後に少し嫌な思いをしてしまった。

間もなくやってきたマタトゥーに乗り込み国境へ。二箇所あるらしく、近いほうのマラバへ。手持ちのウガンダシリングをケニアシリングに両替して、出国イミグレーションにてスタンプを押してもらう。

いよいよお次はケニアです。アフリカ三代危険都市の一つナイロビが待ち受けている・・・。怖


ケニア日記

ウガンダ(2010年1月22日〜2月5日)